YAMAMOTO kouheiの過言雑言

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zoom RSS 読んだ本いろいろ

<<   作成日時 : 2012/01/09 16:07   >>

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 昨年はあまり固い本は読めず、出張中は内田康夫の旅情ミステリーにはまって、ブックオフで古本を買いまくって数十冊は読んだ。近所の駅前にブックオフができたこともその理由。

 科学ノンフィクションをときどき読む。09年に単行本で出て買ったものの放置していた「ハチはなぜ大量死したのか」(ローワン・ジェイコブセン/文春文庫)が文庫になったので読んだ。農業とハチの関係、すなわち養蜂業の役割の大きさなど、知らなかった事実にまず深く関心を持った。例えばアーモンドは養蜂家の受粉費用によって生産コストが大きく変動する。本書は養蜂家の巣箱からハチが消え、北半球では4分の一ものハチが消えた事実とその背景を追う科学ドキュメンタリーである。原因はハチのウィルス、農薬など複合的な要因だが、文庫版の補遺では日本でもハチが消えた。日本ではもっぱら輸入された西洋ミツバチが活用されているが、ニホンミツバチを見直すべきだとい指摘されている。すぐれた環境問題の書として一読の価値あり。ちなみに訳者の中里京子氏は大学のサークル(早大山の子)の一年下。

 年末に読んで面白かったのは「アンティキラ 古代ギリシアのコンピータ」(ジョー・マーチャント/文春文庫)。今から約110年前に、アンティキラ島というギリシアの海底から引き上げられた謎の機械の破片。紀元前一世紀につくられた青銅の歯車であることが判明したが、そんな古い時代に精巧な歯車や歯車を用いた機械が存在したとすれば、科学史をくつがえす出来事になる。その謎解きに挑んだ研究者のドラマ。推理小説なみに面白い。

 もう一冊、年末に読んだ本がNHKのハーバード白熱教室というタイトルで放送されたマイケル・サンデルの「これから「正義」の話をしよう」。放送のタイトルとおなじだが、この本は書き下ろしで、原題はWHAT MONEY CAN'T BUY-The Moral Limits of Markets 。市場主義に対して「善き生」とは何か、「正義」とは何かをきわめて精緻なロジックで説いていく、政治哲学あるいは政治倫理の本である。その昔あくびをしながら聞いたベンサムの「功利主義」(最大多数の最大幸福)や、ジョン・スチュワート・ミルの「自由論」、カントの「純粋実践理性」・・・アリストテレスから近代の哲学者まで動員して、自由至上主義(リバタリアン)や市場経済至上主義の誤謬を突いていく。この中には現実の社会問題(例えば大学の入学試験で黒人を一定数優遇する制度、徴兵制がなくなったかわりに傭兵や民間軍事ビジネスなど)をとりあげて、それを正義といえるか、善き生にかなうかを問いただしていく。
 日本では「従軍慰安婦」の問題がいまだに勧告との間でしこりになっている。この問題はどう考えるべきか。自分よりもはるかに前の世代が行った罪に対して(ナチス、アメリカインディアンなど多数の例がある)どう考えるべきか。いろいろと示唆に富む。

 サンデルの本より前に読みかけていたのがロックの「市民政府論」(市民政府二論の後半部分を「市民政府論」と題して文庫化したもの。角田安正訳、光文社古典新訳文庫)。周知のように、これが王権神授説から脱してはじめて人権や社会契約による市民政府の概念を提起し、フランス革命、アメリカ独立宣言の理念にもなった。奇しくも、ロックは所有権の淵源を説明して人権や自由について語っているが、市場主義者の「強欲」は否定しているのだ。

 グローバル化を旗印に、市場至上主義に走ろうとしているのがTPPか?遅ればせではあるが、昨年の3月に出された「TPP亡国論」(中野剛志、集英社新書)はわかりやすくかつ舌鋒鋭く斬る。著者は多年のつきあいがある中野聰恭氏((株)ナカノ社長)の長男。競争至上主義で勝てば総取りという社会を、果たしてわれわれは望んでいるのか?3.11で社会の価値観も代わるべきだが・・・人見達夫氏に薦められてこれから読む本が「災害論−安全性工学への疑問」(加藤尚武、世界思想社)。原発依存か原発廃止か・・ここにも哲学と倫理の問題がある。


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